【POS必見】リハビリ評価のカットオフ値まとめ【覚えておきましょう!】

はじめに

皆さん、リハビリ評価実施したさいにこう思ったことはないですか??

「評価したけど、カットオフ値がパッと出てこない」

「ネットで色々調べたけど、なかなかカットオフ値が出てこない」

🔰正直、僕でもいつも悩んでしまいます(笑)

ここでは、臨床現場でよく使う評価のカットオフ値を紹介していきます

1️⃣バランス評価
2️⃣筋力・体力評価
3️⃣歩行評価
4️⃣認知機能評価
6️⃣ADL評価

の5項目に分けてお伝えします

文献等で調べた内容になっておりますがあくまで参考程度にして

自分でもう一度調べることをおすすめします

なお、最初にすこし注意点があります。

注意点:記事は完璧じゃないです

言うまでもなくですが、、記事は完璧じゃないです。

つまり、間違いもあるということ。

そこで今回は、下記条件でまとめています。

『バランス能力』のカットオフ

ここで紹介するのは以下の4つです。

1️⃣BBS(Berg Balance Scale)
2️⃣FRT(Functional Reach Test)
3️⃣開眼片足立ち
4️⃣TUG(Timed Up & Go test)

1️⃣BBS(Berg Balance Scale)の簡単な説明とカットオフ

【方法】

指定の14項目の検査を行い、56点満点で評価するスケール

【カットオフ】

46点以上:病棟内自立レベル
36点以上:病棟内見守りレベル

日本理学療法士協会の「推奨グレードの決定およびエビデンスレベルの分類」では45点以下で複数回の転倒発生リスクが高まり、36点以下ではさらに危険が高くなると報告されています。

2️⃣FRTの簡単な説明とカットオフ

【方法】

立位姿勢から片方の上肢をできるだけ前方に突き出し、その距離を測定する

【カットオフ】

40~60歳:33~40cm
70~85歳:25~33cm

【参考値】

25cm未満では歩行を自立していない人が多い
15cm未満で転倒リスク増大

「酒井医療株式会社」

日本理学療法士協会の「推奨グレードの決定およびエビデンスレベルの分類」では15.2cm以下で転倒の危険が高くなると報告されています。

3️⃣開眼片足立ちテストの簡単な説明とカットオフ

【方法】

目を開けたままその場で片足立ちをして秒数を計る

【カットオフ】

15秒で運動器不安定症のリスクが高まる

【日本整形外科学会:運動器不安定症より】

【平均値】

65歳代:44秒
70歳代:31秒
75歳代:21秒
80歳代:11秒
(埼玉医大、坂田2007による調査)

【参考値】

転倒歴のあるもの:30秒以下
健常高齢者:15秒
要支援高齢者:3秒
後期高齢者転倒リスク群:2秒以下

日本理学療法士協会の「推奨グレードの決定およびエビデンスレベルの分類」では5秒以内の者は転倒ハイリスク者とされており、重篤な転倒との関連性も報告されています。

4️⃣TUG(Timed Up & Go test)の簡単な説明とカットオフ

【方法】

着座状態から3メートル先の目印を回って戻ってくるまでの最大努力のタイムを計る

【カットオフ】

10秒未満で歩行自立
11~19秒で移動がほぼ自立(屋外歩行可能レベル)
20~29秒で歩行不安(屋内歩行可能レベル)
30秒以上で歩行障害(日常生活に要介助レベル)
「日本整形外科学会:運動器不安定症より」
13.5秒以上で転倒リスクがある
11秒以上で運動器不安定症リスクが高まる

日本理学療法士協会の「推奨グレードの決定およびエビデンスレベルの分類」では8.5秒以上で転倒経験者が含まれると報告されています。

『筋力・体力』のカットオフ

ここで紹介するのは以下の2つです。

1️⃣握力測定
2️⃣周径検査

1️⃣握力測定の簡単な説明とカットオフ

【方法】

握力計を指第二関節にかかるように把持し、立位で両手下垂位で測定する

【基準値(kg)】

60~64歳:男性34.1~37.0 女性21.1~23.0
65~69歳:男性31.1~34.0 女性19.1~21.0
70~74歳:男性29.1~32.0 女性18.1~20.0
75~79歳:男性26.1~29.0 女性16.1~18.0
80~84歳:男性23.1~27.0 女性16/1~17.0
85歳以上:男性23.1~25.0 女性13.1~16.0

「体力測定の年代別基準値:みやぎの介護予防モデル事業」

2️⃣周径検査の簡単な説明とカットオフ

【方法】

メジャーを使用し、大腿・下腿・上腕の周径を計り左右差を見る

【男性平均値(cm)】

60歳代:大腿46.9 下腿35.6 上腕28.1
70歳代:大腿45.5 下腿34.6 上腕27.1
80歳以上:大腿43.7 下腿33.5 上腕25.9

【女性平均値(cm)】

60歳代:大腿45.5 下腿33.8 上腕26.6
70歳代:大腿44.7 下腿33.1 上腕26.5
80歳以上:大腿42.0 下腿31.8 上腕25.1

「身体計測・身体組成検査」

『歩行能力』のカットオフ

ここで紹介するのは以下の3つです。

1️⃣年代別歩行能力
2️⃣6分間歩行
3️⃣10m歩行

1️⃣年代別歩行能力

【歩行の評価】

歩行は秒速(分速)、1歩幅、ケイデンス(1歩効率)を計算して算出します。

秒速(cm/秒)=歩行cm÷秒数※mで出す場合は最後に÷100
分速(cm/分)=歩行cm÷秒数×60※mで出す場合は最後に÷100
1歩幅(cm)=歩行cm÷歩数
ケイデンス(歩/秒)=歩数÷秒数

【年代別歩行速度】

50歳代:男性115m/分 女性105m/分
60歳代:男性115m/分 女性100m/分

「厚生労働省:現在の体力の評価」

【最低歩行速度】

0.41m/秒 で屋内歩行自立レベル(10m歩行24.6秒)
0.86m/秒 で屋外歩行自立レベル(10m歩行11.6秒)

2️⃣6分間歩行

【方法】

30mの直線を6分間でできるだけ多く往復し、その距離を測る

【カットオフ】

平均値:500m~550m
400m以下で外出制限
200m以下で生活活動制限
332m(分速80m)で一般的には自立生活可能と考える

3️⃣10m歩行の評価

【方法】

12mのライン上を歩き、10m分の歩数と時間を計る

【カットオフ】

24.6秒:屋内歩行レベル
11.6秒:屋外歩行レベル

日常生活の歩行レベル

1️⃣日本の歩行表記は1分間80m進めることを基本としている
2️⃣駅から徒歩5分=400m離れていることを示す
3️⃣信号を渡るためには1m/秒の歩行速度が必要であると示唆されている

(歩行評価基準の一考察 : 横断歩道の実地調査より:日本理学療法士協会第15巻)

『認知機能』のカットオフ

ここで紹介するのは以下の3つです。

1️⃣HDS-R(長谷川式簡易知能検査スケール)
2️⃣MMSE‐J(Mini Mental State Examination)
3️⃣TMT-A、TMT‐B(Trale Making Test)
TMT-AとBは高次脳機能障害の評価でも使用することがあるため、
覚えておいて損はないと思います。

1️⃣HDS-R(長谷川式簡易知能検査スケール)

【方法】

質問紙に沿って患者に対して実施する

【カットオフ】

20点以下で認知症を疑う

これらの質問は必ずしも順番通りに行う必要はなく、日常会話を織り交ぜながらでもOK。
ただし、質問4~7は順番通りに聞くことになっています。

2️⃣MMSE‐J

【方法】

指定の質問紙に沿って患者に対して実施する

【カットオフ】

23点以下で認知症を疑う

「日本理学療法士協会:推奨グレードの決定およびエビデンスレベルの分類」
MMSEの得点は教育や年齢の影響を受けやすいので得点の解釈に十分配慮します。

3️⃣TMT(Trale Making Test)-AとB

【方法】

TMT-Aは1~25までの線を結んでいく
TMT-Bは1~13までの数字とあ~しまでの平仮名を交互に結んでいく

【TMT‐Aの平均値】

50歳代:109秒
60歳代:158秒

TMT‐Aのカットオフ値は117.5秒という研究結果もある。

「地位在住高齢者における注意機能と心身機能の関連性」

【TMT‐Bの平均値】

50歳代:151秒
60歳代:217秒

TMTは注意機能と遂行機能、視野性の探索機能を評価します。

TMT‐Bに関してはそれに加え、ワーキングメモリや注意分配機能も垣間見れるので患者に合わせて利用してください。

『日常生活活動(ADL)』のカットオフ

ここで紹介するのは以下の4つです。

1️⃣BI(Barthel Index)
2️⃣FIM(Functional Independence Measure)

1️⃣BI(Barthel Index)

【方法】

患者のできるADLを100点満点で評価する

【カットオフ】

60点で介助が必要
85点以上で自立
【改定版BI:Grangerによる】

2️⃣FIM(Functional Independence Measure)

【方法】

しているADLを18項目126点満点で評価する

【カットオフ】

運動項目が58点以上で在宅復帰の可否の判断となる

「J‐Stage 脳卒中患者の在宅復帰に必要な基準値」

まとめ

評価のカットオフは調べるのが大変なのでよかったら参考してみてください。

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